公開: 2024年2月7日
更新: 2024年2月7日
コンピュータは、機械の一種ですが、人と同じように計算したり、考えたりできる機械です。人間が作り出した機械で、そのような動きができる「もの」はありませんでした。蒸気機関やガソリン・エンジン、そしてモータのような機械も、人類の生活を大きく変えました。しかし、これらの機械は、大きな力を生み出す動力発生機に過ぎません。この点が、コンピュータがきわめて「特異な機械」である理由です。
フランスの哲学者、パスカルは、人間は精密に作られた機械であると考えていたようです。しかし、その機械は、頭脳以外の働きをするものでした。「考える」頭脳は、人間だけが持っている、特別なものであると考えていたようです。しかし、数学者のパスカルらが自然数の足し算、引き算、掛け算、割り算を行う歯車式機械を作り出しました。その後人類は、その機械を発展させて、アルファベットで書かれた文章を暗号化したり、元の文に復号できる機械をかいはつしました。
この過程で、イギリスの数学者、チューリングは、現在のコンピュータの元となる機械を考え出しました。その機械には、機械が計算した結果の値が、別に計算されている値と等しいかなど、結果を比べてその後の動作を変える判断の機能を組み込んでありました。この判断機能は、人間の思考には欠かせないもので、これによって、コンピュータは、人間による思考を真似ることが可能になりました。
世界で最初のコンピュータが開発されたのは、米国のハーバード大学とIBM社が開発したマークIと名付けられた機械です。これは、電話回線の自動交換機で使われていたリレーを利用して作られました。第2次世界大戦後、戦争中に発達した真空管を使った電子式のコンピュータが、1949年に米国のペンシルベニア大学で開発されました。